​若月ドクター疾患名解説

​・・・かもしれないと言われたら、事前に調べてあわてない

「・・・じゃない?」「・・・の疑いがあるかもしれません。」そんな風に何気なく言われたら、とても気になるものですね。いったいそれはどんな病気なの?どんな症状?どんな治療をするの?・・・
若月ドクターがわかりやすく丁寧に解説しましょう。

膀胱、前立腺の炎症以外の疾患

 

◆神経因性膀胱

神経因性膀胱とは 
脊髄や脳の障害で起こる膀胱尿道の機能障害です。 尿が出にくくなったり、逆に頻尿や失禁になったりします。膀胱収縮を助ける薬、膀胱の働きすぎを抑える薬、あるいは尿道括約筋の開きを助ける薬や尿道収縮を助ける薬などを使って、頻尿や排尿障害をコントロールします。薬の効果が不十分な場合には、尿道から管で(カテーテル)で尿を出すこともあります。

◆排尿神経の働きは 
膀胱と尿道は自律神経で調節されています。脳の排尿中枢から脊髄を通って骨盤から膀胱尿道へと自律神経がつながっています。ですから脳、脊髄、神経の障害で排尿がうまくいかなくなることがあります。 
正常ではあまり尿意を感じることなく300ml程度まで膀胱は尿を貯めることができます。膀胱にある程度尿が貯まって排尿をしようと意識してはじめて尿道の括約筋が緩んで尿道が開くとともに、膀胱が収縮を開始して排尿が開始されます。膀胱尿が全部出てしまうまで膀胱の収縮と尿道の弛緩が持続して、排尿が終了します。 

◆症状 
この神経の働きが悪くなると、尿意を感じなくなったり、膀胱が収縮できなくなったり、逆に膀胱の収縮を止められなくなったり、尿道括約筋が閉まったままで尿がでなくなったりします。 

◆原因
脳に原因がある場合(脳梗塞やパーキンソン病など)、脊髄に原因がある場合(脊髄損傷、椎間板ヘルニアなど)の他、よく原因が分からない場合もあります。
膀胱の収縮力や大きさ(膀胱内圧測定)、尿の出る勢い(尿流量測定)、残尿測定などを行って膀胱の収縮を抑制する薬剤で治療します。 

◆神経因性膀胱の治療 
膀胱の収縮力低下には、副交感神経を刺激するウブレチド 
尿道括約筋の開きが悪い場合には、交感神経アルファ抑制剤のエブランチル 

ウブテック(ウブレチド)
ウブテックは膀胱の収縮刺激作用があるため、神経因性膀胱の治療に用いられます。 
ウブテックは副交感神経刺激剤で、胃液の分泌亢進や、腸管の運動刺激作用があります。 
このため、下痢や腹痛、胃炎などの症状が出ることがあります。 
この場合には減量あるいは休薬が必要です。 

エブランチル
前立腺肥大症に使われるαブロッカー(交感神経の抑制剤)と同じものですが、神経因性膀胱で適応症のあるのはエブランチルだけです。降圧剤としても使用されます。 

導尿法 
どうしても排尿ができない場合には、尿道から膀胱へ管をいれて、膀胱の尿を出す方法があります。間歇的導尿法と留置カテーテル法とがあります。 

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◆前立腺肥大症

前立腺(ぜんりつせん)は男性特有の臓器で精液が尿道へ出る所にあり、精液の一部も造っています。膀胱の出口で尿道をとりまいているので、ちょうど尿道が前立腺の真ん中を通るような形になっています。この前立腺の一部分が肥大して大きくなったものが前立腺肥大症で、尿道をふさいでしまうために排尿困難がおこります。 
前立腺部分の括約筋を緩めて排尿を助ける薬、男性ホルモンの働きを抑えて前立腺を小さくする薬、生薬で前立腺の浮腫を改善する薬などが使用されます。 
投薬の効果が悪くて、症状が改善されない場合には手術で肥大症を起こしている部分のみを取り除くこともあります。 

◆原因 
前立腺は男性ホルモンの作用で発育し、思春期頃には胡桃大となります。前立腺内に尿道周囲腺(=内腺)といって本来は全体の5%程度の分泌能しかもたない部分がありますが、これが異常に大きくなったものが前立腺肥大症です。加令とともに男性ホルモンと女性ホルモン(男性でも少量が造られている)の比率が変化することや、前立腺組織内に活性型の男性ホルモンが蓄積することなどが原因と言われていますがいずれも仮説で、ほんとうの原因は不明です。60才以上の男性では10人に一人程度に見られる良性の疾患で、前立腺癌とは異なるものです。肥大症が癌に変化することはありません。 

◆症状 
さて前立腺肥大症では尿道周囲腺といって尿道に接した部分が肥大してきますので、早期から尿の通りが悪くなり、尿線が細い、尿が近い、尿の切れが悪く便器の周囲や下着が汚れるなどの症状が出現します。年のせいで尿の勢いがないとあきらめている人の大半がこの病気のためといってもよいぐらいです。 
最初は膀胱の代償性肥大がおこって収縮が強くなるため尿の勢いは保たれています。この時期には膀胱が分厚くなって容量が少なくなるため、尿が出にくいというよりは頻尿になります。進行すると膀胱の代償が不完全となり排尿困難が前面にでてきます。 

◆治療 
前立腺肥大症は高齢男性の排尿障害の主たる原因です。高齢者が多いこともあって投薬治療(αブロッカーによる尿道括約筋の弛緩や、抗男性ホルモン薬による前立腺の縮小、あるいは漢方薬による抗浮腫作用など)が第一選択となっています。しかし他にもたくさんの投薬を受けていることが多く、長期間の投薬が困難な場合や、効果が不十分なこともよくあります。経尿道的前立腺切除術(TUR-P)が現在もgolden standardであります。手術が必要な場合には病院を紹介します。 

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◆尿失禁

男性でも前立腺の手術の後などに起こることがありますが、多くは女性の疾患です。 
咳をしたり笑ったり走ったりしたときに、尿意がないのに少しもれる場合。腹圧性尿失禁といいますが、お産や加齢で尿道周囲の筋肉が弱くなって起こります。軽症であれば体操や薬で改善します。 
尿意があるとトイレまで我慢できずにもれてしまう場合。切迫性尿失禁といいますが、膀胱の神経が過敏になった状態でおこります。このタイプの尿失禁は男性でもときどき見られます。 
尿検査と尿流量検査で炎症や残尿のないことを確認して投薬を行えば多くの場合で改善がみられます。 
体操や薬で良くならない場合には、手術治療が必要となります。 
最近の方法としては、特殊なシートを手術で挿入して尿道括約筋の働きを強化する方法があります。外来ではできませんので、病院を紹介しています。 

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◆前立腺癌

前立腺は尿道を取り巻くようにして膀胱の出口にある臓器です。癌は尿道から離れた外側の外腺と呼ばれるに生じることが多いので、初期には尿道の圧迫が生じにくく無症状のことも少なくありません。このため前立腺の触診や、前立腺特異抗原(PSA)の測定が癌の早期発見には重要です。 

◆診断 
PSAや触診で癌が疑われた場合には、経直腸的前立腺超音波検査を行い、前立腺の大きさと癌を疑わせる部位について検査します。最近ではMRIで前立腺癌がかなり正確に診断できるようになりました。最終的な確定診断には前立腺組織検査が必要になります。 

◆治療 
手術、放射線、抗男性ホルモン治療などがあり、早期診断により、根治療法を行うことが重要です。

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◆膀胱癌

眼で見てわかる様な血尿がでて、痛みのない場合には膀胱癌が疑われます。
たいていは膀胱の粘膜からできた癌で、たいていは尿道から内視鏡で切除するよう方法で治療できます。診断には内視鏡が重要ですが、超音波でも多くの場合には診断が可能です。 
痛みのない血尿があった場合にはまず超音波検査を受けるとよいでしょう。 

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