院長コラム

泌尿器科専門医、性感染症学会認定医の若月院長からのお知らせや、アドヴァイスなど随時掲載いたします。

 尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマ

いづれの場合も女性は婦人科 肛門の尖圭コンジローマは肛門科を受診してください。
1どんな病気 
 HPVウイルスが感染してできるイボです。尖圭コンジローマといいます。

2どうして感染する
 直接、コンジローマと接触すると、ウイルスが皮膚にできた小さな傷から感染します。


3どのようにしてウイルスからイボができる?(少し難しい話です)
 感染したウイルスの遺伝子(DNA)は、表皮の深い層の細胞に入り込んでしまいます。ウイルスの感染した細胞は新陳代謝で表面に移動していきますが、表面に到達すると、DNAからウイルスに発育しこれが細胞をイボに変化させます。

4潜伏期間
 性的接触などで感染してから3週間から8ヶ月(平均2.8ヶ月)といわれています。


5治療しないとどうなるのでしょうか
 粘膜、皮膚だけの病気ですので、全身への影響は通常ありません。ただし、数や大きさが増えて外観上の問題や、出血し易くなることがあります。男性の場合尿道や、膀胱の粘膜に広がることもあります。女性の場合には子宮頚癌へ進行することもあり注意が必要です。ただし自然治癒が20%にあるとも報告されています。


6どのような場所にできるのでしょうか
 陰茎、陰嚢、尿道、肛門、直腸、子宮頚部、腟、陰唇などですが、口腔内にもできることがあります。


7子宮がんになる?
 HPVウイルスの16,18型など悪性型では子宮がんへの移行が問題とされています。男性では類ボウエン病や、ボウエン病が問題となります。


8診断は?
 特徴的な外観から診断できますが、切除して病理検査をすることで確定できます。HPVの型別診断は保険適応がありません。女性の場合には、子宮頚癌の検査を同時に行うとよいでしょう。


9治療法は
 切除や凝固といった外科的治療とベセルナクリーム(抗ウイルス薬)、あるいは液体窒素による凍結治療が保険適応のある治療法となります。


10切除術
 局所麻酔を行って、コンジローマ部分を切除します。切除部分は、通常そのままで、消毒と軟膏を1-2週間、自宅で行っていただきます。60%程度は、1回の治療で、30%程度は1-2回の追加治療(焼灼)で終了しますが、10%程度は再発が頻回で追加治療が必要です。


11ベセルナクリーム
 週に3回、寝る前にクリームを塗って、朝、洗い流すという塗り方で、最低4週間の治療を行います。3-4ヶ月までの治療が必要なこともあります。70%に有効と言われています。

12液体窒素凍結療法 

 綿棒を液体窒素(-196度C)に浸して、綿棒を直接尖圭コンジローマにあてて凍結します。10秒前後の凍結を数回繰り返します。その結果 直接的な細胞変性と血管変性による組織の虚血性変化が起こります。治療時には凍結による痛みがありますが、麻酔をするほどの痛みではなく治療後には痛みはなくなっています。直後は少し暗赤色に変化している程度で、1-2週間でコンジローマは黒色に変化して脱落します。 水泡やびらんを生じた場合は軟膏を使用しますが、特に切除の場合のような処置は不要で、入浴も問題ありません。

 さらに凍結壊死になった細胞の自己抗原に対して免疫反応がおこりHPVウイルス感染細胞の除去作用を生じるもといわれています。

 尖圭コンジローマの数や大きさにもよりますが、通常の診察時間内でも治療は可能です。

大阪市北区の泌尿器科 若月クリニック院長より

ドクター若月疾患名解説

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