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院長コラム

泌尿器科専門医、性感染症学会認定医の若月院長からのお知らせや、アドヴァイスなど随時掲載いたします。

ED

陰茎が硬く大きくなるメカニズムとED治療薬について説明します。
ED治療薬は勃起状態を持続させるもので性的な興奮を起こすものではありません。

精神的な刺激や陰茎の直接刺激で骨盤神経が刺激されると、陰茎で一酸化窒素(NO)が増えます。 

NOはサイクリックGMPを増加させますが、このサイクリックGMPには強力な血管拡張作用があります。
このサイクリックGMPが陰茎の動脈血管を拡張させます。
陰茎の動脈が拡張すると血流が増えて陰茎海綿体が膨らみます。
陰茎海綿体が膨らむと陰茎内血液の出口の陰茎周辺の静脈が圧迫されます。
動脈から血液がたくさん入ってきますが、出口の静脈がふさがれるので陰茎内の血液量が増加します。
その結果、陰茎に血液が充満して硬く大きくなります。
PDE5(陰茎にあるサイクリックGMPの分解酵素)はサイクリックGMPを分解して血流を減少させます。
サイクリックGMPが早く分解されると、血液の流入が低下して陰茎は柔らかくなります。
これが中折れ型のEDです。
バイアグラなどのED治療薬はこのPDE5の働きを阻止して、勃起を長続きさせます。
PDEは臓器によって種類が異なり、PDE5は陰茎にだけ存在し、バイアグラはほぼPDE5だけを抑制します。
このため心臓や陰茎以外の血管への働きはほとんどなく、安全にED治療ができます。
ただ狭心症などの治療薬のニトログリセリンと同時に使用すると全身の血管の拡張が起こりショック状態になります。
以上が陰茎勃起とED治療薬のメカニズムです。
あくまでも勃起を持続させるお薬ですので、性的な刺激に反応がないと効果がありません。

ドクター若月疾患名解説

気になる症状があれば

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