おしっこの具合はどうですか

日頃私たちは何も意識せずに、おしっこをしています。このおしっこを造る臓器を診るのが泌尿器科です。面白いことに腎臓は左右にひとつずつありますが、まったく同じ働きをしていて、片方がなくなっても尿は正常に造られます。尿道から出る精子も同じです。

つまり腎臓と精巣は生まれつきスペアーを持っている重要な臓器ですが、体の奥にある腎臓は片方が悪くなってもわからない場合があります。泌尿器科では尿検査を手がかりとしておしっこが造られて出てくる通り道の病気を診断し, 治療をしています。         

気になる症状があれば

 ◆尿が出ているときが痛い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まず尿道炎でしょう。性行為などで感染することが多く、尿道から膿のようなものが出ることもあります。淋菌性では潜伏期間が1週間以内、クラミジア性では1-2週間です。
検査は尿道の分泌液のスメア検査と培養検査をまずします。次に出はじめの尿(炎症のある尿道の膿を検査しますので前回の排尿から検査までに1時間以上経っているほうがよい)を滅菌コップにとって尿検査とPCR検査を行います。淋菌性では3日間、クラミジア性では最低5日間の投薬治療が必要です。パートナーの治療も同時に必要です。淋菌性では、注射の必要な場合もあります。
 ◆痛くはないがなんとなく変で、下腹部の気持ち悪さや陰嚢をひっぱる
   ような痛みなども伴うことがある・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
慢性前立腺炎のことがあります。前立腺をマッサージして尿を調べて、投薬を行います。治療するほうもされるほうも根気のいる疾患です。
 ◆尿が出た後が痛い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女性がほとんどですが、 多くは急性膀胱炎です。頻尿、残尿感、血尿などを伴います。原因は腸内細菌(自分の)のことが多く、大腸菌や腸球菌などです。尿検査と尿細菌培養検査を行い、3日間程度の投薬治療を行います。男性の場合は急性前立腺炎で同様の症状になりますが発熱を伴いはるかに重症です。
 ◆50歳以上の男性(おしっこの切れが悪く下着が汚れる、勢いがないなどの症状)
前立腺の検査を受けましょう。血液検査(前立腺特異抗原)だけでも肥大症や癌の診断ができます。尿をためて受診してくだされば、超音波検査、尿流量測定と尿検査を行い前立腺の病気があるかどうかを診断します。
前立腺というのは男性だけにあるもので膀胱の出口で尿道の周りにあって精液の一部を造っています。前立腺が腫れて尿道が圧迫されるため尿が出にくくなったり、尿の回数が増えたりします。
前立腺肥大症では投薬治療(交感神経のブロッカー、抗男性ホルモン剤、生薬)で症状は改善されますが、肥大症は進行します。手術が必要な場合には病院を紹介します。
 ◆ 頻尿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
精神的な原因(神経性頻尿)、脳神経や脊髄神経の原因(神経因性膀胱)、子宮筋腫による圧迫などの他、水分の取りすぎや糖尿病などで尿量が増えている場合など様々なものがあります。 尿検査、尿流量検査、超音波検査などの検査をおこないますが、膀胱癌などもありますので、一度は検査を受けておきましょう。
 ◆女性の尿失禁 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
咳をしたり笑ったり走ったりしたときに、尿意がないのに少しもれる場合。腹圧性尿失禁といいますが、お産や加齢で尿道周囲の筋肉が弱くなって起こります。軽症であれば体操や薬で改善します。
尿意があるとトイレまで我慢できずにもれてしまう場合。切迫性尿失禁といいますが、膀胱の神経が過敏になった状態でおこります。尿検査と尿流量検査で炎症や残尿のないことを確認して投薬を行えばほとんどの場合で改善がみられます。
 ◆男性の尿失禁 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
尿の切れが悪くて下着を汚したり、尿の勢いが悪いので尿が前へ飛ばずにトイレや下着を汚す場合がほとんどです。前立腺に原因があることが多いのでまず前立腺の検査をまず受けましょう。
 ◆尿が赤い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
汗をたくさんかいて尿量が減っていると尿が濃くなることがあり赤く感じることがあります。血尿ではピンク色から褐色まで多様で、凝血塊と言ってかさぶたが混ざっていることもあります。血尿は腎結石、尿管結石、膀胱癌や前立腺癌などの危険信号です。一度でもあればたとえすぐにとまっても診察を受けましょう。尿検査、超音波検査、レントゲン検査を行い、膀胱癌が疑われた場合には内視鏡が必要になります。
 ◆尿検査で異常と言われた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
尿潜血反応陽性では血尿の程度を顕微鏡で調べ、腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道などの疾患を検索します。蛋白尿では腎機能検査と腎炎の検査(血液検査)を行います。特に治療が必要ない場合も多いのですが、一度は精密検査を受けてください。
 ◆尿道から血が出る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女性ではティッシュに血がついてり便器に赤い点々がついたりします。尿道カルンケルといって尿道の出口に赤い疣のようなものができていることがあります。薬や軟膏で軽快しますが大きい場合は切除が必要なこともあります。
 ◆尿道から膿がでる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
尿道炎です。淋菌性では白濁から黄色で量も多く、クラミジア性では澄明で量も少ない。
 ◆精液に血が混ざっている・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
男性が非常にびっくりする症状です。若い方では尿道炎が多く、前立腺炎や精嚢腺炎を伴っています。ほとんどが投薬で治ります。前立腺癌などがないかどうかを、血液検査と超音波で検査しておく必要があります。

気になる症状があれば 疾患別解説(尿道炎・クラミジア・性病・尖圭コンジローマ・亀頭包皮炎・包茎)

このような尿の症状には説明した疾患以外にも
重大な疾患が隠れていることがあります。
一度は専門医の診断を受けて安心して治療に専念することが必要です。

最近みられた重大な疾患と治療
症状  検査 診断 治療 結果
頻尿、排尿痛
尿検査
膀胱癌
注入療法
治癒
肉眼的血尿
超音波
膀胱癌
紹介入院(内視鏡手術)
治癒
肉眼的血尿
診察、血液検査
前立腺癌
投薬治療
軽快
頻尿
超音波
腎腫瘍
紹介入院(手術)
治癒
顕微鏡的血尿
尿検査
尿管腫瘍
紹介入院
待機
血膿尿
超音波
腎結石
紹介(体外衝撃波結石破砕術)
治癒

 このような症状は、危険信号と考えて早期に受診しましょう。